グローバル企業のみならず今まで国内を主戦場においてきた多くの日本企業にとっても、企業として生き残りをはかるためには、中国をはじめとするアジアの巨大な市場と多数の人材の活用が欠かせなくなってきています。とりわけ中国はグローバル展開をはかる試金石と言われております。
しかしながら、中国は世界で最も難しい労働市場の一つであるといわれています。中国の国内企業も、競争力を高めるにつれて多国籍企業間の優秀人材の争奪合戦に参戦するようになってきています。中国の日系企業において、「人材マネジメント」は今や、「政府要人とのネットワーク」などのコネをいかに作るかといったこと以上に最も重要な経営課題と認識されています。年功序列で実力が発揮できないということが悪い評判として定着している日系企業は、人材獲得競争ではますます苦戦を強いられています。より良い労働条件を提示してくれる欧米企業へのキャリアアップのための踏み台になっているケースもあります。
また、「世界の工場としての中国」から、「巨大なマーケットとしての中国」という位置づけに変わり、いままで求められてきた人材とは異なる分野の人材を確保し、育成・開発する必要性も出てきています。
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